現在のダンゴムシ界隈において、二代巨塔といっても過言でないラウレオラとメルラネラ。
ダンゴムシ好きなら誰でも憧れるであろう彼らだが、その入手難易度と飼育はトップクラスに難しいと言えよう。
以前飼育を開始したラウレオラ【アイボリースパイキー】。
この種に関してはある程度飼育方法を確立したので別記事で紹介している。
今回はもう一つの巨塔であるメルラネラ【スカーレット】についての飼育奮闘記を掲載したいと思うので興味のあるかたは是非読んでいただきたいと思う。
さて、メルラネラ【スカーレット】の飼育に関して結論を始めに書くとそこまで奮闘したというイメージはあまりない。
よくネットで囁かれている「落ちやすい」「壊滅」は約3か月たった今、私の飼育下では起こっていない。
とまあ3か月しか飼育していない私が言うのもおかしな話だしこれから悲惨な結末が待っているのかもしれないが、それでも「落ちやすい」というほどの生き物ではないと感じる。
後述するがスカーレット飼育のカギは「初期導入数」「ケージの広さ」「通気性」「レイアウト」であると言えよう。
それでは、スカーレットの飼育日記を記していきたい。
まるでモンスター!真っ赤な「スカーレット」
メルラネラの飼育に関してはまだ行うつもりはなかった。
SNSに度々上がるメルラネラの投稿を見てかっこいいとは思うものの、当時夢中になっていたトゲトゲ系のせいで「いつかいつか」と後回しにしていたのだ。
ただメルラネラの中でも【スカーレット】は特に魅力的で、メルラネラを飼育するなら最初に…なんて考えていた矢先たまたま回ってきたメルラネラ【スカーレット】の格安情報。
結果、予定より随分早く【スカーレット】を購入するに至ったのだった。
スカーレットの購入決意の理由
スカーレットを購入しようと思った経緯は運よくめぐり合わせてきたその価格だった。
某サイトで知り合ったブリーダーB氏が大量のスカーレットを抱えているというので、お互いの利害の一致で格安購入することができたのだ。
メルラネラのような高級なダンゴムシでも時期と場合によっては運よく安く入手できる場合があるので念のためオークションやサイトでコネクションを作っておくことをオススメする。
なんなら私(マカイヤ)をフォローしてくれても構わない(⇚何様)
まだ販売はしていないがいずれあなたの役に立つだろう!(⇚本当かよ)
さて冗談?はこのくらいにして、上に記したような安く入手できるチャンスが巡ってきた場合は少し奮発して初期導入数を多くするのが大切である。
ダンゴムシ飼育確立のカギは「初期導入数」ということを忘れてはいけない。
スカーレットを購入するならどこ?価格は?
生きた個体を確実に入手したいなら「即売会」一択である。
とはいえ即売会は「長期の展示により生体が弱っている」「価格が高い」などというデメリットもある。
即売会でのスカーレットの相場は「5匹3万円~」といったところだから結構高い。
その点を踏まえるとヤフオクやSNSを利用した入手方法も効果的である。
ヤフオクであれば運が良ければありえないくらいの価格で入手可能である。
また、いい販売者を見つけた場合安く買えるだけでなく長期にわたって手厚いサポートをしてくれるといったメリットもある。
もちろん悪いブリーダーにあたった場合はそれなりの仕打ちを受けてしまうが…
私の場合、某サイトで知り合った善良ブリーダーB氏から購入した。
価格は伏せときます(即売会より断然安い)。
スカーレットの基本データ
B氏から購入したスカーレットの基本データを載せておく。
【名前】
スカーレット
【学名】
Merulanella sp “Scarlet”
【飼育難易度】
難しい(但し初期導入数多めだと簡単)
【繁殖難易度】
簡単
【生体費用】
20000~50000(5匹~10匹)
【食性】
雑食。葛の葉結構食べる?
スカーレットの魅力は真っ赤なボディと繁殖の容易さである。
真っ赤なボディはスカーレットの名前の由来でもあり、このダンゴムシの最大の魅力。
某ポケットのモンスターの「フ〇デ」にも似ており、美しさの中に毒々しさが顕在している。
こういった点からスカーレットは女性にも毒虫好きにもお勧めできる最強ダンゴムシと言えよう。(※但し毒は無い)
また繁殖の容易さもこのダンゴムシの魅力の一つである。
スカーレットは落とさず長期飼育することができれば約20匹~30匹程度のベビーを産み落とすので面白い。
さらには良く動くといった点も評価できるダンゴムシだ。
以上の魅力を総合すると、飼育の面白さ自体はラウレオラ系統に勝るのではないだろうか?
到着から繁殖まで。スカーレット飼育奮闘記!
2024年1月下旬。
スカーレットは我が家へやってきた。
想像以上の真紅のボディに感動したのを覚えている。
気温はかなり低かったが、1匹も落ちることなく無事到着。B氏の腕の良さが目立つ。
2024.1.28 スカーレット到着
この日WC(野生採取)タイプのスカーレットが届く。
30匹という大量購入。
落ちやすいと聞いていたスカーレットであったが一匹も落ちることなく無事到着した。
ワイルドタイプであることからもかなり弱っているのではないか?と不安だったが以外にも全数元気だった。
メルラネラの生命力、そしてB氏の輸送の知識には脱帽。
こうして素晴らしいスカーレット飼育のスタートを切ることができた。
実際にこれが届いたスカーレット。
紅い!
まさにスカーレット。
名前負けしていないのだ!
2024.1.28同日 飼育環境調整
さて肝心の環境調整。
こちらに関しては文献が少なすぎるので、有識者に聞いて回りどうにか正解?を見出すことができた。
有識者一同の環境の結果以下のような情報を得ることができた。
ースカーレット飼育に関してー
・メルラネラは空気中の湿度が必要で70%保つと良い
・ただし湿った地面は嫌うので空気中の湿度の実の調節がベスト
・風通しを好む。横からの通気と立体性を意識すると言い
・温度は24~26℃がオススメ
・エサは熱帯魚の餌でOK
・樹上性の可能性があるので高さを意識すること
・落ち葉を敷いておけば湿度管理が容易
・なるべく広い環境での飼育がいい
とのことである。
さて気づいた人もいるかもしれないが、この文どこかで見覚えがあるのではないだろうか?
そう、アイボリースパイキーの飼育環境と類似するのだ。
特に前半の5行は、ほぼほぼ同じ。
本記事に新たに追加した後半の樹上性も、前半5行で紹介した立体性と被るし…
もっと簡単にまとめると、「広い環境で飼育する」「立体性を意識する」「土を湿らせすぎない」を守ればそう難しくないとのことだ。
では以上の点を踏まえて飼育環境を作ってみよう。
私の場合の飼育環境はこれだ。
使用しているケースは衣装ケース。
STBOX13。
かなり広めの衣装ケースだ。広い環境を作ったやることで過度な蒸れが無くなり管理が楽になる。
THE腐葉土を地面に敷き詰め、その上に葛の葉とクワガタ用の落ち葉を敷く。
また立体性に関してはコルクを組み立て作ってあげた。
そして通気性。
通気性は左右からも上部からも確保してあげる必要がある。
地面からの湿度は極力下げ空気中のみ湿らせる。
そのためには地面から蒸発した水分が逃げていく環境を作ってあげる必要があるのだ。
さて湿度管理についての工夫だが、今回新たに導入してみた工夫を書こうと思う。
今回導入した工夫。それは落ち葉。
実は今回、以前アイボリースパイキー環境調整の際に取り入れた湿度勾配を導入していない。
※アイボリースパイキー飼育の際の湿度勾配。今回は使用していない。
理由としては、意図的に湿地帯を作成してしまうことでミズゴケからの水分蒸発が過剰になってしまうからだ。
湿った地面を嫌うメルラネラにとってこれはかなりのリスクになると考察。
その代わり今回は落ち葉を使用しての湿度管理を行っている。
落ち葉を使用しての飼育管理の原理はこうだ。
落ち葉を重ねることで、上の落ち葉が傘の役割を果たし、落ち葉同士の隙間や落ち葉の下の腐葉土は水分を持たなくなる。
水分が必要な個体は勝手に落ち葉の上に行くし、水分を不必要とする個体は葉っぱの隙間や落ち葉の下で生活する。
このように落ち葉の配置を工夫するだけでも湿度管理ができる。
では、ミズゴケは必要ないのか?という点だが、ミズゴケは必要である。
といっても今回セットで組むミズゴケは加湿目的のミズゴケでなく、過剰に湿ってしまった地面の水を吸水するという役割である。
このように、「広さ」「立体性」「通気性」を意識してケースを組んでみた。
最後に今回使用した材料とエサを書いておく。
ー飼育環境ー
・ケース
STBOX 13
・床材①
The腐葉土(邑楽ファーム)
・床材②
パームマット(ポゴナクラブ)
・床材③
爬虫類用ミズゴケ(ダブリューアールシー)
・隠れ家
コルク(※出元不明のものは殺虫剤散布の可能性あるので注意)
・エサ
テトラミン、だんごむしさんのゴハン(DNG64)
・エサ皿
ペットボトルキャップをダンゴムシが入りやすく加工したもの
・副食
くずの葉(株式会社リーフ)
2024.2.7 スカーレットの様子
B氏から購入したWC(野生採取個体)のスカーレット。
到着から約2週間程度経っているが全く落ちる気配はない。
最初に組んだ環境が間違っていなかったのもあるし、スカーレット自体が結構強い個体なのかもしれない。
有識者の知識とスカーレットの生命力に乾杯🥂
ちなみに余談だがスカーレットは現地ではかなり強い種のようで、ゴキブリのように繁殖していくと聞いた。
これが日本の飼育環境下で落ちるのだとしたらやはり飼育環境に問題があるのかもしれない。
1週間しかたってないが、この段階で言えることは「スカーレットはアイボリースパイキーより断然強い」ということだ。
初期落ちが明らかに少ない。
ただ環境に慣れてからはアイボリースパイキーの方が強い?(メルラネラは寿命が短い)とも言われているので油断禁物である。
とりあえず、寿命が怖いので本当多めに導入しときましょう!
2024.2.17 スカーレット爆誕
購入して約3週間?
スカーレット爆誕です!!
素晴らしい。
正直こんなに早く生まれるとは思ってなかったのでびっくりだ。
そして数の多いこと。
ベビーの数もラウレオラやキュバリス系統よりもかなり安心感がある。
やはり何度も書くが、「初期導入数」大事!
5匹数万円の高級ダンゴムシだが、渋ってちょこちょこ買い足すよりも腹くくって多めに購入するほうが絶対後々楽と感じた。
初期導入数が多いと抱卵確立もあがるしメンタル面で安心。
いつもより安いと感じたら絶対購入しておこう!
さてここまで順調なものの、問題はここからである。
実はスカーレットのベビー。数は多いのは良いが結構落ちやすいようだ。それだけが心配…
2024.3.17 爆誕から1か月後のスカーレット
スカーレットベビーが生まれて1か月。
どうやら順調のようだ。
結構落ちやすいときいていたが数はあまり減ってないしむしろ増えたように思える。
事実この間に2回爆散しているのだ。それもそれぞれ30匹ずつくらい。
中には色のついてきた個体も見ることができた。
赤いベビー。まんま赤ちゃんだ。
ということでスカーレットこれまで順調です。
考察と今後の方針
3か月たった今スカーレットの飼育について言えることを書いてみる。
ー考察ー
・繁殖までは1か月前後
・話で聞くように脱皮不全や謎死はある
・蒸れに弱く通気性が大切。立体性と広さは確保必須??
・産む数は10匹~30匹あたりが目安?
・以上の点を踏まえ初期導入数多めにすると安心
ー改善点ー
・メルラネラは壁を歩く⇒逃げ出せないように網を張る等検討
・糞の量が多い⇒土交換のタイミングを考える必要がある
スカーレット飼育はアイボリースパイキーと似ているところがあるが、アイボリースパイキーよりも断然飼育しやすい気がする。
初期落ちの少なさ、個体の強さ、繁殖力の強さ等、正直スカーレットは最強クラスのような気がする。
ただし、ラウレオラよりも謎死が多いのは間違いない。
ラウレオラは環境変化による初期落ちや蒸れによる死亡と何となく死因を推測できるものが多いが、スカーレットにいたっては訳の分からないところでお腹を上に向けて死んでいることがある。そして弱っている兆候がまったくない。
この点を踏まええると、少数飼育ならば確かに難しい生物であると言えよう。
リスクを回避するためにも、そう!
何回も書いた「初期導入数を多くする」が大切になってくるのかもしれない。
さて長々と記録してきたが、次書くのはスカーレットの幼体が成体になったらかなぁ。
これまで通り順調に進めばいいけど…というわけでまたお会いしましょう!
では!
コメント
コメント一覧 (1件)
とても参考になります!
私もスカーレット飼ってますが、謎死ありますよねー。。。
ですが、それを超えるほどの繁殖力で我が家はなんとかわらわら出来てます!