どうもマカイヤです。
数年前から市場を賑わせていた「ダンゴムシ」。2023年になってその人気はさらに高まっているように感じています。
2023年10月にはワラダンキングダムさんが日刊SPAにて、そして2024年1月17日(水)にはDNG64さんとまるころ商店さんが日経MJにて取り上げられていました。
メダカブームに次いでダンゴムシブームを匂わせる記事の内容。
趣味として、副業として、研究として…今後ますます広まるであろう「ダンゴムシ」。
グッズ、書籍や文献、生体、ブームの到来と影響
今回はこれらの項目に着目して、「ダンゴムシブーム」について今一度考えていきたいと思います。
ーこの記事をオススメしたい人ー
・ダンゴムシグッズについて知りたい
・ダンゴムシブーム到来を告げる情報誌と関連する書籍を知りたい
・過去6年のオークション取引を確認したい
・今後のリスクについて考察したい
市場に出回るダンゴムシグッズ!大手メーカーから個人までもが作成!
『ダンゴムシ』の知名度が高くなったのは、バンダイから出されたダンゴムシガチャの影響も大きいと思います。
まず始めにダンゴムシブームを到来させた「ダンゴムシガチャ」をはじめとする「ダンゴムシグッズ」に関して記していきたいと思います。
ダンゴムシブームの火付け役?バンダイのダンゴムシガチャ
ダンゴムシが大きく取り上げられたのは今から遡ること6年前。2018年8月23日のことです。
大手玩具メーカー「バンダイ」がダンゴムシガチャ(¥500)を世に出したのが、ダンゴムシブームのきっかけと言ってもいいでしょう。
丸くなるギミック、リアルな構造、手のひら大の迫力ある大きさに、ガチャマシンからそのまま出てくるといったユニークさは世間を大きく騒がせました。
もちろんこれ以前にダンゴムシの生体は即売会等で売られていましたが、ダンゴムシの認知度がぐんと上がったのはこのダンゴムシガチャのおかげといっても過言ではありません。
この商品の開発には裏話があるようで「ITmediaビジネスONLiNE」で、開発者の誉田恒之さんはこう語っています。
「ガンダムファン向けの『ザクヘッド』とは異なる方向性の商品もあればいいなと思っていた。商品がそのまま排出される“カプセルレス”の特徴を生かせるものを模索していたところ、『ダンゴムシは丸くなるぞ!』と気づいた」(誉田さん)
ITmediaビジネスONLiNE 話題のカプセルトイ「だんごむし」なぜ開発? 生みの親に聞いてきた
まさかのザクヘッド!ここまでのブームを呼ぶとは思ってもなかったでしょうね。
大流行して売り切れ多数だったガチャダンゴムシ。いまでも大切に保管しています。
浸透するダンゴムシグッズ
ダンゴムシをモデルとしたグッズは、なにも大手メーカーの提供するダンゴムシガチャだけではありません。
以前からダンゴムシファンだったであろう個人アーティスト達も、ダンゴムシグッズの開発販売を行っています。
九州爬虫類フェスなどの生物系のイベントではそのようなグッズによく出会います。たとえばカメのみのじさんから出されているダンゴムシ受け皿(画像①)もその一つです。
他にもDNG64さんからは「おだんごマンシール」(画像②)というダンゴムシをゆるキャラ風にデザインしたシールが販売されています。
このようにダンゴムシグッズは先に述べたダンゴムシブーム到来とともに徐々に増えつつあります。ダンゴムシファンにはたまりませんね。
こちらは太郎@ダンゴ沼(ジャイアントスリン)さんが作成しているアクリルキーホルダー。メルラネラ種と骨を組み合わせた独特なデザインのキーホルダーとなっています。
興味のある方は是非太郎@ダンゴ沼(ジャイアントスリン)さんにX(旧Twitter)でDMしてみてください。また即売会などでも販売しているとのことです。
ダンゴムシブームの到来を告げる情報誌や書籍
次にダンゴムシブームを匂わせる文献を記していきたいと思います。
2023年になりダンゴムシに関する文献は顕著になってきました。特にここ最近世間に出回った新聞の記事をメインに紹介していきましょう。
週刊誌や新聞などのメディアが取り上げるダンゴムシブーム
2023年10月…ダンゴムシブームの兆候を感じ取りいち早くこの業界に参入したワラダンキングダムさんが情報誌「日刊SPA」に取り上げられていました。
寝ている間も勝手に増える「黄金資産」で不労所得をゲット。月10万円稼ぐ副業術
日刊SPA
そう題された記事には副業としてのダンゴムシの情報が多数掲載されていました。
この記事では【ホワイトスカル】等のレア種を繁殖させて副業にするというもので、内容はビジネス面の強いものでしたが、「ダンゴムシブームの到来」という点では非常に納得のいく内容でした。
そうです。ダンゴムシは本当にペットとしての需要が高まってきているのです。
他にも2024年1月17日、日経MJにてDNG64さんとまるころ商店さんが取材を受けていました。
こちらも日経MJということでビジネス寄りの内容になってくるのですが、このような大手メディアが動きを見せるということは、ダンゴムシ愛好家の人口増加が著しいという興味深い指標になります。
ブーム到来の兆しは書籍にも影響か?
週刊誌や情報誌がダンゴムシの特集を扱う中、ダンゴムシを扱う書籍の方も動きをみせています。
2011年に発刊された森山徹氏の「ダンゴムシに心はあるのか?」が、どういうわけか2023年9月に山と渓谷社から再出版されています。
この本はダンゴムシの本能的習性が予測不能な出来事によりどのような影響を受けるかを詳しく扱っていて、ダンゴムシの頭脳や心についていろいろな考察をしていくといった内容です。
さらに、この書籍に関しても1月18日に発刊された日経MJは取り扱っています。
ダンゴムシブームに貢献した書籍といえば奥山風太郎氏の「おどろきダンゴムシ図鑑」が有名ではないでしょうか?
世界の珍奇種45種を取り扱ったこの本は、ダンゴムシファンの収集欲に一気に拍車をかけたことでしょう。
このようにダンゴムシブームはグッズだけでなく週刊誌や新聞、書籍などにも表れています。
これからどのような書籍や情報が増えていくのか楽しみですね。
ペットとしてのダンゴムシブーム
ダンゴムシのペットとしてのブームは2018年頃に比べだいぶ上昇してきたように思えます。
以前は爬虫類フェス等でたまに見かける程度のものでしたが、現在ではフェスに行けば高確率で出会うことができ、前の章で紹介した「まるころ商店さん」や「DNG64さん」も2023年にネットショップを開業しています。
実際にダンゴムシ市場がどれだけ人気上昇しているか検証してみました。
グラフで見るダンゴムシ市場の推移
今回検証するに当たって過去6年分のダンゴムシ落札データを某サイトより調査してきました。
ここで念のため今回の検索条件を明示しておきます。
ー検索条件ー
・検索年数は2018年~2023年の過去6年分
・終了したオークションのみを表示
・カテゴリはペット・生体
・ダンゴムシで検索
上記の条件検索で、生体としてのダンゴムシ売買が検索できます。
ではまずグラフから見てみましょう。
これがダンゴムシ生体の取引件数になっています。
2018年に比べて2020年、2023年と明らかに成長しているのが見て取れます。
たった六年でこの成長。日経MJにも記載されていた「メダカブームに次ぐダンゴムシ」は盛った記事でないことが分かります。
では次に元となったデータを基盤にいろいろと考察していきましょう。
まず2018年。この辺で【モンテネグロダンゴムシ】の生体取引が多く確認されています。さらに2018年はバンダイさんがダンゴムシガチャを発売しダンゴムシが世間から認知されるようになった年ともいえます。
2019年。後期になるにつれ段々と増えていくダンゴムシの需要。販売されたダンゴムシの中に【マジックポーション】を多く見ることができました。
そして一気に成長を遂げたのが2020年。
ダンゴムシガチャの普及、そして【ラバーダッキー】と【ヘレリア】の出現が市場をブーストさせた要因と考察できます。特にラバーダッキーは綺麗な見た目から当時はかなり高額で取引されていました。もちろん取引件数もかなり多い。
2021年。この年のメインは【スピノサス】です。おそらく【スピノサス】の出現はこのダンゴムシ市場に大きな影響を与えたのではないでしょうか?2022年多少の減少傾向はありますが2020年、2021年同様、取引件数はほぼほぼ維持されているままです。
最後に2023年。この年は2019年から2020年の時と同じような異常な取引増加がみられます。
これまで流行った【スピノサス】【ラバーダッキー】等が完全CB化されたことが一因であるのと、メルラネラ種・ラウレオラ種の出現が2023年取引件数の増加に大きく関与しているものと思われます。
いずれにせよダンゴムシブームは留まることを知りません。これから出現するであろう新種や新モルフ、そしてCB化の普及を考えるとダンゴムシ市場はますます伸びていくことでしょう。
月毎のダンゴムシ取引件数
月ごとのダンゴムシ取引件数についても考察していきましょう。
上記データで赤く示した場所が取引件数の多い月、そして青が取引件数の少ない月となっています。
このデータだけで見ると10月が一番取引が多く、1月が少ないことが分かります。
月ごとのブームは単に発送がしやすいといったものがあるでしょう。9月10月は取引するにおいて最大のチャンスと言えそうです。ブリーダーも愛好家もこの時期を目安に市場を覗いて見るといいかもしれません。
ダンゴムシブームによる悪影響
次第に来ているダンゴムシブーム。
とはいえこのブームが与える影響が、いい影響だけとは限りません。
これまで国内では生物飼育によって飛散な結末を迎えた人々が何人も存在しています。
事業者だけでなく、ただ可愛がっているだけの愛好家にまで及ぶ悪影響。そしてその影響は環境にも作用します。
どのような影響があるか考えてみましょう。
①ダンゴムシは愛情がなければ難しい。ダンゴムシ飼育難易度問題
「ダンゴムシ飼育は簡単」
巷ではそういう都市伝説が出回っていると聞きますので結論から言いましょう。
ダンゴムシ飼育は非常に難しいです。
ブームに流されて購入すれば必ず痛い目を見ます。
と言えば「マカイヤさん以前簡単って言ってなかったですか?」という質問が来ると思います。
はい。生物飼育としては簡単な部類ですよ。但し「愛情を注げれば…」という条件付きです。ダンゴムシは本当にこれが顕著でしっかり飼育してやるという覚悟がなければ必ず失敗します。
覚悟があれば飼育はいけますね。まあ中にはどうしても攻略できない種類もいますが…(笑)カプチーノとかカプチーノとか…
とりあえずブームだからというノリだけでの飼育は痛い目をみるのでやめましょう!
②放虫問題
飼育をやめたいからといって放虫すれば、自然環境に多大な影響を及ぼす可能性があります。
外来種とされるオカダンゴムシはどうにかこうにか日本の環境で問題なく?共存していますが、だからといって他の種類を放つと本当に環境が破壊されるかもしれません。
また放虫することにより③で紹介する最悪な事態が待ち受けているかもしれません。
③事業と趣味の崩壊
「ザリガニ」は一時期ブームになっていました。ミステリークレイフィッシュ、タイゴースト…
ペットショップでもかなりの数が取り扱われ。これに便乗して開業したブリーダーも少なくないと思います。
しかし、外来ザリガニの環境への影響や病原菌媒介が問題になってくるや否やその販売は禁止され、これまで必死に頑張ってきた事業者や愛好家に多大な影響を及ぼしました。
さらに2023年6月。アメリカザリガニにも条件が付加され、ビジネスとしてのザリガニは完全に幕を下ろしました。
もちろん趣味としてもザリガニ唯一の醍醐味であったコレクション性が無くなったと言えますでしょう。
このようにダンゴムシビジネスや趣味としてのダンゴムシはいつ終焉を迎えてもおかしくないような要素を多々もっています。
もしビジネスとして、趣味として新規参入するのであればこれらのデメリットをしっかり理解したうえでどうやったら崩壊しないかを考え続けていく必要があります。
こればかりは一人の発言では弱いので、みなさん協力してくれると助かります。
と、このようにダンゴムシブームもかなりの悪影響を及ぼす可能性を秘めています。
ブームだからとか、稼げそうだからとか、簡単だからとかいって安易に行動するのはとてつもなく危険です!!
波に乗っかる前に必ずリスク抽出はしておきましょう。
まとめ
はい。というわけでダンゴムシブームの成長をグッズや書籍、生体からの観点で見てきましが、明らかに成長していますね。
その逆に飼育失敗やそれによる放虫、販売飼育規制などのリスクも着々と大きくなっています。
「メダカブーム」が順調であるように「ダンゴムシブーム」も順調でありたい。
そのためには皆さんがマナーを守って、定期的にリスクを抽出し合い、しっかり国や新規参入者に向けて発言できるように頑張っていく必要がありますね。
このブームがこれからも成長するようにみなさん頑張っていきましょう!
では!
コメント
コメント一覧 (4件)
確か2023年はメルやラウの存在が大きくなっていったのと、スピノサスCBが出て来てみんなが手を出せる金額まで落ち着いたこともきっかけとしてはあるかも。。
それに、副業ユーチューバーのあべむつきさんがデュビア副業で昆虫販売の副業を推し始めたことが奇蟲ビジネスに拍車をかけるきっかけにもなってると思います。
コメントありがとうございます。となるとダンゴムシ業界の通常の増加にプラスして奇蟲業界全体の人気が増えてきたのも増加に影響しているということなんですね。
確かにあまりにも増加していたので不思議とは思っていました。
2019から2020年の増加に関してはなぜだかわかりますか?
うーむ、2019年のコロナもまだ上陸前ですし。。みけさんなどのダンゴムシ愛好家が生まれた年くらいしかイメージないですね。。。
この辺であればやはり、ダンゴムシガチャの影響と昔からの愛好家がダンゴムシを広め始めたことが影響しているかもしれませんね。みけさん流石ですね!